卓球は対人競技 | 『卓球三昧・卓球教室』 東京都 高田馬場・池袋の卓球場

卓球は対人競技

こんにちは。

卓球三昧の藤井です。

今日は、簡単そうで難しい、卓球の基本を書きたいと思います。

皆さんは会話する際、自分が聞く側の時は、相手の話の筋を予測しながら会話し、自分が喋る側の時は、話の筋を頭の中で一度作り、相手にわかりやすい順序で話すと思います。

卓球のラリーもこれと同じ事が言えます。相手が打つ際、何処に何回転のボールが来るであろうか?逆に、自分が打つ際、何処に何回転のボールを送ったら点が取れるだろうか?ということを常に考えています。

会話の場合は一度話が終わるまで相槌や質問等はあったとしても、一方が主導権を握った状態で会話は進みますが、卓球の場合は相手と自分一回ずつ交互に打球するために、主導権が行ったり来たりします。ここが卓球の難しい所です。

多くの方は、常に自分に主導権がある状態でラリーをしており、相手の打球のタイミングを見ていない場面が散見されます。また、見ていたとしても、頭の中で次に自分のやりたいことが先走ってしまうために、ラリーが噛み合いません。

この状態では、卓球は対人競技でありながら、フィギアスケートのような直接相手と競わない採点競技になってしまっています。

最近この状態を打開する練習を開発してました。詳しくは次回のブログで書きたいと思います。

卓球場・卓球教室

卓球三昧 高田馬場店 藤井貴文

 

コメント一覧

  1. 藤井 領一 より:

    卓球の適切な構え方(姿勢)とは?

    皆さん卓球台の高さ(国際規格)をご存知でしょうか?→答えは、76cmです。

    では人の重心位置は凡そどの辺りにあるかご存知でしょうか?→仙椎の少し前方(おへその少し下辺り)

    なぜこの様なつまらない問いかけをしたかというと、卓球の正しい構え方(姿勢)と関係があるからです。

    一般的に人の重心位置は身長に対して床から約55%の高さにあることがデータ的に確かめられています。

    身長165cmの人の場合、一般的な体の重心位置は床上90.75cm(=165cm×0.55)にあります。

    仮にこの人が台上10cmでツッツキやストップでレシーブする場合の高さは、床上86cm(=76cm+10cm)です。
    この様なレシーブをする場合は、少し足を開いて膝を少し曲げて重心を落とした方が打球しやすくなります。

    次にこの人が台上15.25cm(ネット上端の高さ)でフリックレシーブをする場合の高さは、床上91.25cm(=76cm+15.25cm)です。
    フリックは通常ラケット面の角度を合わせてほぼ水平に振りますが、身長165cmの人の場合は、直立姿勢で打球したとしても打球点が体の重心位置よりも僅かに上になります。

    上記からわかることは、身長165cmの人の場合、ネット上端の高さよりも高い打球点で打球すると、最も重心位置の高い直立姿勢で打球したとしても体の重心位置よりも上で打球することになります。

    ただし、上記の適切性を判断するためには球質(球速&回転)や打法をも考慮する必要があります。

    例えば緩いボールや下回転のカットのボールをドライブ打法で下から持ち上げる場合は、体の重心位置よりも打球点が上の方が力学的に力がかかりやすい。

    しかし、強いボールや上回転系のボールを(特にライジングで)打球する場合、体の重心位置よりも打球点が上になってしまうと打球時にボールを抑えにくくなります。

    この場合、水平若しくは上から下へ打ち降ろす打ち方をした場合、体の重心の力(体重)がボールに伝わりにくくなり、逆に下から上へ持ち上げる打ち方をした場合は、打球時に上向きの力がかかりやすくオーバーミスしやすくなります。

    一般的に卓球の良い構えとされている両足を肩幅よりも広げ、少し膝を曲げる前傾姿勢は、上記の考察の直立姿勢よりもさらに体の重心位置が下に下がります。

    上記の考察から適切な構え方や姿勢は競技者の身長、打球点、球質、打法により異なると考えます。

    皆さんも卓球で常識とされている構え方や姿勢を疑い、一度再考されてみてはいかがでしょうか?

    上記は私見です。
    藤井 領一

  2. 藤井 領一 より:

    卓球とはどの様なうスポーツか?

    藤井コーチや河田コーチがブログで「卓球とはどういうスポーツか?」という問いをよくされるので、私もこの問いについて考えてみました。

    この問いに対しては誰しも卓球は英語では”Table tennis”なので、「テニス(tennis)」が一番近いんじゃないの」と思われると思います。

    確かにテニスも対人ラケット競技であり、技術や戦術も卓球と相通じるところは多分にあると感じます。
    しかし、卓球とテニスでは相手との距離感(ラリーの時間的周期)が大きく異なります。

    私が自分が過去に経験したスポーツで卓球に近いものを挙げると、スポーツそのものではないのですが、サッカーのPKやハンドボールの7mスローが相手との間合い(近距離である点)が卓球と比較的近いと思います。

    もしかすると、ここに卓球の上達への大きなヒントが隠されているのかもしれません。

    サッカーのPKやハンドボールの7mスローでは、普通は力一杯蹴ったり投げたりせず、キッカーやスローワーはキーパーのコースの読みとタイミングを外すことに集中することが多い。

    私は現役時代試合でサッカーのPKを外した記憶があまりないのですが、、蹴りたいコースへ強く蹴るというよりかは、キーパーが左右に飛んで空いたスペースへボールを流し込む感じでPKを蹴っていました。

    サッカーやハンドボールのペナルティーは卓球よりも距離は遠いがゴールが大きいため、相手との距離とゴールの面積との比率や卓球は相手から来たボールを瞬時に打たなければならない点を考えると、一般的には卓球の方が1回では決めにくいのかもしれません。

    しかし、通常1回で決める意識のペナルティーと違い、卓球のラリーでは相手はこちらのコートに返球せねばならず、返球されたとしても何回でも連打で攻撃できるため、卓球では強いボールを打って1本で決める意識はそれほど必要ないのではないでしょうか?(むしろ連打で確実に決める意識が大事では?)

    逆に卓球ではミスするとその時点で失点しラリーで何度でも打てる権利を喪失するため、ミスしないことが重要だと考えます。

    卓球とサッカーやハンドボールのペナルティーは、似ている点と異なる点があると思います。

    藤井さんや河田さん、上記の様な洞察ができる問いかけをしていただき、有難うございました。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  3. 藤井 領一 より:

    対人競技である卓球の留意点 〜会話との共通点〜

    会話では意味のある内容を言葉で人に伝えます。

    人は挨拶、依頼、感情、情報伝達など様々な機会や目的で会話により何らかの意味を人とやりとりします。

    会話は人との友好や親睦を深めることもありますが、時に言質を取られたり矛盾を突かれることもあります。

    一方卓球も対人競技であるため、相手とのボールの行き来というやりとり(ラリー)があります。

    会話も卓球も対人で言葉やボールをやりとりするため、良くも悪くも相手に利用される可能性があります。

    卓球のボールのやりとり(ラリー)の主な要素を相手に利用されやすさにより以下に分類します。

    1.やや利用されやすい要素

     ボールの強さ:相手に打ち返された場合、強いボールほど跳ね返る反発力が強くなる。
     ボールの回転:(粒高など)打球時にボールの回転が残るラバーほど相手の回転を利用しやすい。
     体の動き:移動を伴う大きな動きや大きなスイングは位置や体勢が乱れるなどの隙を利用されやすい。

    2.やや利用されにくい(利用され得る)要素

     打球点(タイミング):相手のボールを利用したり相手の時間を奪う長所と反撃された場合の短所がある。
     コース取り:コースが相手の得手不得手のいずれかにより、利用され得る場合と利用されにくい場合がある。

    3.利用されにくい要素

     安定性:プレーの波やミスが少ないという特徴(安定性)を相手は利用しにくい。
     わかりにくさ(変化):回転やコースの読まれにくさ、ボールの変化、技術の多彩さを相手は利用しにくい。

    〜まとめ〜
     卓球では練習等により全ての要素のレベルアップを目指すのが基本ですが、相手に利用されにくい要素を重点的に磨くという実戦的なリスクを重視する考え方もあると考えます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  4. 藤井 領一 より:

    常識が当てはまらないことを見抜き、正しいやり方を見つけるコツ

    私達は周囲の人から聞いたことやそれまでの経験から常識、先入観、セオリーなど「こうあるべき」という多くのルールを心の中に持っています。

    多くの場合それらは私たちの判断を容易にし正しい方向へ導きますが、時にそれらの思い込みが邪魔になり物事を見誤ったり、自分の中の「べき」を人に破られると呆れたり怒りの感情に囚われることもあると思います。

    しかし、常識等の「正しいとされていること」はあらゆるケースで常に未来永劫正しいとは限らないのです。

    私見ですが、常識などの誤りを見抜き正しい認識を見つけ出す方法として以下が挙げられると思います。

    1.日頃から「正しいとされていること」を過信(盲信)しない。
    2.「何かおかしい、ちょっと変だな」と感じたら、常識などを疑ってみる。
    3.従来のやり方や考え方で問題を感じていなくても、別のやり方や考え方が頭に浮かんだら一度は試してみる。

    進歩や上達を目指す上でスポーツに限らず世の中の正しいとされていること(社会常識等)が必ずしも正しいとは限らないということを認識し、より正しい方向へ進んで行く術を身に付けていることだ大切だと考えます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  5. 藤井 領一 より:

    下記を補足致します。

    私見になりますが、相手に打たせて守備や反撃を狙う卓球をする上で重要になる技術はカットです。

    カットの技術があれば、切ったボールを相手に送って打たせることも容易ですし、相手の強打もカットで凌ぎやすくなります。(カットは守備がやりやすく、強いボールの方がカットで切りやすいため)

    また相手のボールが予測できる場合はカットスマッシュ技術(*)で反撃することもできます。
    (*)打球時にボールを切る様に打つスマッシュ。ボールが相手コートに入って減速すると回転により軌道が変化するため返球しにくい特徴があります。

    つまりカットの技術を身に付ければ、相手に打たせて守備や反撃をする卓球の全てがやりやすくなります。

    カットは中後陣の守備の技術と考えられがちですが、現代卓球の前陣攻守型においてカット技術の重要性は高まっていると考えます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  6. 藤井 領一 より:

    打たせる卓球とカウンター技術を身に付けよう!

    人生歳を重ねると何から何まで自分が主導権を握ってやり過ぎると最後は疲れ果ててしまい、うまくいかないことが多いと感じます。(頑張り過ぎない、無理し過ぎないことが大事)

    少し引いた視点で考えてみると、他の人も自分と同じ様に主導権を握ってな思い通りに何かを実現したいと考えている人も多いはずなので、自分中心の視点ではうまくいかないのは当然だと気付かされます。

    人生では自然や世の中の流れに自分を合わせ、自分を取り巻く環境の変化にうまく対応して乗り切っていくことが大切だとつくづく感じます。(周りに身を任せることと、自分で考えてやる両面のバランスが大事)

    そこに気がつくと、卓球では相手にも打たせる、言い換えれば相手に攻めさせてそれを利用することが大切だと気がつきます。

    試合では相手に打たせると、当然相手に打たれる展開が多くなります。
    打たれるのは嫌とお考えの方もおられると思いますが、相手の強打はこちら側に以下のメリットがあります。

    ・打球の軌道が直線的になり、軌道が読みやすくなる。(ボールの曲がりが少ない分打ちやすい)
    ・強いボールはラケットを合わせるだけでいいボールが返りやすい。(ボールの力を利用しやすい)
    ・打球時の摩擦力が強くなるため、回転をかけやすい(カットで切りやすい)
    ・相手の位置や体勢が乱れ隙ができやすい。(相手は攻める意識が強くなり守りの意識が疎かになりやすい)

    相手の強打はボールが強いがゆえに取りにくい面もありますが、上記のメリットに目を向け冷静に考えれば、慣れと技術により逆に攻めやすい(反撃)しやすいボールであることに気付かされます。

    試合では「相手に打たせる→相手が打つ→カウンターを狙う」という流れになりやすいため、打たせる技術とカウンター技術はセットで身に付けるとラリーが都合よく回る(点が取れる形を作りやすい)様になります。

    相手の強打は必ずしもカウンターを狙えるわけではないので、カウンターする余裕がない場合はその場を凌ぐ、守備の技術が大切になります。

    相手が強打した瞬間にカウンターを狙えるか、凌ぐ(守る)か瞬時の対応(判断と動作)が必要になります。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  7. 藤井 領一 より:

    試合に勝つための必須スキルとは?

    以前のセルボール(特に38mm)の頃は、ボールに強い速度と回転をかけやすく、ボールが飛行中の減速が小さかったため、サーブ、レシーブ、3(4)球目攻撃のウェートが高かった(短い本数で決まりやすかった)様に記憶しています。

    以前は打法的にも現在のプラボールと比べてドライブの威力が大きく、ドライブの強さと安定性により試合の勝敗が左右される面が強かったと思います。(以前はドライブ全盛とも言える時代でした。)

    現在のプラボールの卓球では上記の要素は依然として大きな意味を持っておりますが、以前に比べ決定力がやや落ち、ラリーになることが多くなったと感じます。

    現代卓球(特に上級者同士の試合)では、ラリーになっても簡単に打ち抜けなくなったと感じます。

    やや決め手に欠く感のある現代卓球ですが、1本の強打で決めにくくなった分、相手を崩して連打で点を取ることが重要になったと感じます。

    相手を崩すには、球種に変化を付け、相手に読まれない様にボールを前後左右に散らして相手の位置や体勢を崩すことが基本になります。

    しかし相手が上級者になるとドライブ等で上記の組み立てで攻めてもなかなか相手が崩れないことがあります。

    私の経験上、その様な難敵を倒す方法としては以下の攻め方が有効と考えます。

    ■強制的に相手を崩す方法

     相手の左右コーナーを狙い、サイドラインへ切れて行く横回転のスマッシュ性のボールを打ち、相手から逃げていく速いボールで相手を左右に大きく動かして崩します。(逆モーションを混ぜると尚効果的です)

    ■スマッシュ(性のボール)の打ち方

     相手の返球を大きく動かずにライジングでスマッシュできる様、台の中央近くの前陣に構え、両ハンドでコンパクトなスイングでスマッシュ連打で攻撃します。

     スマッシュはスピードに頼って1本で決める意識ではなく、球速、回転、コース取り、安定性の4つの要素をバランスさせ、スマッシュの軌道を曲げて相手の位置を乱して連打で相手を崩して決める意識で打ちます。

     相手が高/低いずれの軌道で返球して来てもスマッシュ連打できる様、ラケット先端がやや上向きのリストアップ系(通常型)とラケット先端がやや下向きのリフト系(チキータ型)の両方のスマッシュが打てると良い。

     ナックル性の直線的なスマッシュを打つとミスが多くなりがちなため、コースを突いて左右のサイドへ切れて行くスマッシュ性のボールを連打することにより、相手の位置と体勢を崩して得点を狙います。

     慌てて早く決めようとするとミスが出やすいため、軽くスマッシュで相手を左右に振りながら、相手が大きく崩れたり浅い浮いたチャンスボールが来るまで粘ってスマッシュで決める気持ちの余裕が大切です。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  8. 藤井 領一 より:

    卓球の勝負術とは?

    高段者の将棋や囲碁の対局は、棋戦にもよりますが両者とも所定の持ち時間(数時間とか)の中で熟慮のうえ、先々の展開を読んで最善手と考えられる次の一手を指して勝ち負けを争う対人ゲームです。

    斯様にプロ棋士が長時間をかけて熟慮して指す指し手であっても、疑問手や失着が出たり勝負所で勝負手(最善手ではないかもしれないが相手が次の一手を間違えやすい手)を指されて負ける勝負術の要素もあります。

    一方卓球の場合は、通常1秒以内に対戦者の間をボールが行き来する対人競技であるため、打球する際はほぼ全て瞬時の判断と動作が要求されます。

    卓球という競技は先の展開を読みにくく、打球前の考慮・反応時間が極めて短い(ほぼ反射的にすぐ打たないと間に合わない)競技であるため、打球点、動き方、打ち方(打法や球種の選択)、コース取りなどの瞬時の判断に迷いやミスが出やすい。(それ以外にもスイングの仕方や打球感覚など様々なミスの要因があります。)

    つまり卓球はラリーでひたすら粘って返すとか、相手が打つタイミングや技術選択を迷う様な微妙な高さ、速さ、回転の返球やモーション等の「勝負術」が実戦で活きやすい競技です。

    瞬時に動ける様、こういう状況でこういうボールが来たら基本的にこのコースへこういう打球を打つと事前に対応を考えておくことは重要ですが、いつもパターン通りにやり過ぎると相手にプレーを読まれやすくなります。

    状況によっては、相手の裏をかいたり、相手を迷わす様な返球をして戦術に変化を付けると、相手は(他の選択肢も考えないといけなくなるため)パターン化された対応に応接しづらくなります。

    有効な勝負術は競技者や相手によっても違ってくるので、日頃からできるだけ多く実戦的な練習を積み、様々な対戦者や状況における対応のバリエーションを予め考えておくと試合で役に立つと思います。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  9. 藤井 領一 より:

    スポーツで大切なこと(スポーツの基本とは?)

    スポーツを学ぶ上でセオリー(広く正しいとされているやり方)は大事です。
    しかし、セオリーは常に未来永劫正しいとは限らないため、私は「考えるスポーツ」を目指しています。
    (私はセオリーは無視せず参考程度に考え、理論から合理的に考え直すよう心がけています。)

    卓球に限らずスポーツ(さらには日常生活)で大切なこと(基本)は姿勢だと私は考えています。

    卓球の姿勢(構え)というと従来のセオリーでは、両足を肩幅よりも大きく開き、膝を曲げて腰を落とした前傾姿勢で台のバック側に構える姿が頭に浮かびます。
    しかし、この姿勢でプレーするのは一般人には少しきついというか正直やや無理があると私は感じます。

    それでは「考える卓球」では、どの様に考え、どの様な姿勢で構えるのでしょうか?

    私はこのような場合、「逆算」で考えます。考え方は以下の通りです。

    (基本)姿勢を崩されると失点しやすい(逆に基本姿勢を維持できると返球しやすい)
     →できるだけ基本姿勢を大きく崩れない様に動いて打球でき、すぐに戻れる姿勢が良い
      →最も楽に(小さな動きで)動いて打球できる基本位置&姿勢は何か?

    結論的にはプレー開始から次の(ラリー)展開を考えた場合に最もやりやすい構えを基本姿勢と考えるべき。

    もう少し具体的な動きで「逆算」で考えてみると、

     相手からのボールは(空間の大きさから考えて確率的に)体の正面よりも左右に来る方が多い
      →前陣であれば通常は1歩片足を打球点側に踏み出せばボールにラケットが届く(例外時は特別に対応)
       →左右いずれかの片足を踏み出した状態が最も打球しやすい、足を踏み出す前の姿勢を構えとする

    上記の逆算の考え方から算出された構え(基本姿勢)は以下の通り。

    ・構える位置
     両ハンド型であれば台の真ん中付近(利き手が台の中央に来る位が基本ですが、状況に応じて多少変動)

    ・基本姿勢
     ラケットは競技者が次のプレーをやりやすいところに構えれば良い。
     自然体(両足を肩幅位に開き、直立に近い楽な姿勢)で構える。(前傾時は背筋を伸ばし腰を少し曲げる)

    ※両足の幅(スタンス)は狭めの方(肩幅位)が良い理由:
     ・足を左右に踏み込んで打球する場合、最初は両足の幅は狭い方が足を外側に踏み出しやすい。
     ・片足を踏み込んで打つ場合、最初両足の幅が狭い方が反対側の足の位置が打球点に近くなり打ちやすい。

    〜まとめ〜
     足を動かして打球する前提であれば、最初から最も打ちやすい姿勢(スタンス広めの前傾姿勢)で構えるのではなく、足を動かしやすく足を踏み込んだ時に打ちやすい姿勢(自然体)で構えた方がやりやすいと思います。

     フォアやバックハンド(ドライブ)で強いボールの打ちやすさを重視すると上記と異なる結論もあり得ます。
     各人の特徴や状況に合わせ、やりやすい姿勢でプレーするのが良いと考えます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  10. 藤井 領一 より:

    藤井さん

    ご無沙汰しております。暑い日が続いておりますが、いいかがお過ごしでしょうか。

    最近中国の卓球指導者が「必须更换想法」(考え方を変えなければならない)と言うのを耳にします。

    従来中国は強いボールで主導権を握って勝って来たのですが、最近はその自慢の強いボールを相手に狙われカウンターされて負ける試合が散見されるようになったからだと推測しています。

    あくまで私が試合を見て受けた印象に過ぎませんが、中国も日本を十分に研究対策して試合に臨んでいますが、日本の対中国対策、プラボールや新しい卓球(ライジング打法など)に対する研究・練習の成果が上回った結果、昨今急速に中国との差が詰まった様に感じます。

    何人も過去に長年圧倒的な成功を収め過ぎる(成功体験する)と今までのやり方を変えるのは難しくなりますが、中国は卓球を刷新して勝ち続けるのかもしれません。

    以前のセルボールでは強いボールで攻めたりラリーをしていれば自然に勝ちやすかったのですが、プラボールは強いボールで攻めても相手が打球するまでに減速して打ちごろのボールになりやすく、卓球が難しくなったと感じます。(現代卓球は戦術をよく考えて試合に臨む必要があります。)

    話は逸れましたが、藤井コーチの仰る主導権を相手に渡す方が良いか否かは難しいところだと思います。

    私の見解ですが、自分が主導権を握った状態で相手に不十分な体勢で打たせると勝ちやすいと思います。

    相手に不十分な体勢で打たせると相手がミスしやすいというのもありますが、仮にボールが入ったとしても相手が不十分な体勢(やや苦しい姿勢で)で打って来たボールは凌いだり、反撃しやすいからです。

    私も究極の目標は相手に主導権を渡して攻めさせて(自由にやらせて)、こちらが基本姿勢を崩さずにカットとカウンターで勝つ卓球ですが、これには相当な守備と反撃の技術が必要だと考えています。

    いずれにせよブラボールの卓球は、自分から全部やろう(仕掛けよう)とせず、相手にある程度やらせて相手のやることをよく見て利用することが大切であると感じます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

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