完璧は目指さない、目指せない | 『卓球三昧・卓球教室』 東京都 高田馬場・池袋の卓球場

完璧は目指さない、目指せない

こんにちは。卓球三昧の藤井です。

今日は卓球というスポーツの特性を理解し、上達する方法を書きたいと思います。

スポーツの得点パターンには大きく分けて二種類あります。

体操やフィギアスケートのように対人競技でないスポーツにおいては、自分自身で得点を積み上げていくため、いかにミスをしないで完璧な演技を目指せるかが重要です。逆に、相手のミスで自分の得点は増えません。

その反面、卓球などの対人競技は、お互いに得点を奪い合うために、ミスが必ず出ます。しかし、そのミスを最小限に留めることが重要となります。自分がミスをすると相手の得点になってしまうためです。

完璧を目指すフィギアスケート、完璧は無理前提しかしベストは尽くす卓球、大きな違いがあります。

普段の練習で感じることは、一本のミスをとても深刻に感じている方が多くいます。(フィギアスケートにおいては一つのミスが命取りですが、卓球は一本失点しても負けません)

このように眼の前のミスに気を取られてしまっている場合、一番重要であるそのミスを生じさせた原因である、自分の体の動きに注意を払えなくなります。例えば、打球時に体が倒れていなかったか?腕は正しく振れていたか?グリップを握りすぎていなかったか?等々、ミスした後に考えていますか?

打った後に「シマッタ!ミスショットだ!」といくら後悔しても卓球は二度打ちできません。そのために、ミスしたという結果に意識を割くより(がっかりするより)、原因である打球前後の自分の体に意識を割くのが先決です。

このようにミスの原因である体の動きが修正できれば、次同じボールが来た時に必ず返球できます。これが卓球においてとても大事です。ミスにがっかりしてばかりでは、いつになっても上達しません。

眼の前のミスに気を取られないようにするコツは、自分の打球が相手コートに入っても入らなくても、感情の起伏を抑え、スイング後のラケットを止めることです。特にミスした時声を出さずに我慢し、逆にラケットに意識が残っているか確認してみてください。

卓球場・卓球教室

卓球三昧 高田馬場店 藤井貴文

コメント一覧

  1. 藤井 領一 より:

    他の対人競技で優位に組むコツを卓球に応用しよう!

    他の対人競技で優位に組むコツを同じく対人競技である卓球において応用するアプローチも考えられます。

    例えば相撲の組み手(右四つ、左四つ、もろ差し)や柔道やレスリング等では自分の体が相手の体の上になる場合と下になる場合で優位度が異なります。

    また、テニスやバドミントンではいずれの対戦者がより基本姿勢を保ってプレーしているかにより両者の優位度が異なります。

    対人間でボールが行き来する卓球で、どうすれば相手よりも優位にラリーを進められるか考えてみます。

    1.自陣は崩されず、相手陣を崩す(有利な形勢を築き、持続する)

     前陣の基本姿勢を保ち打球を散らして、相手をできるだけ前後左右に振って相手の位置と体勢を崩します。
     この様に自分の位置と姿勢は崩されず相手のそれを崩す形でラリーを続ければ、自然と有利になりやすい。
     早い打点でサイドラインへ切れて行く角度をつけた緩めのボールを送ると、相手を大きく動かしやすい。

    2.自陣が崩されてもラリーの中で立て直す(不利な形勢を挽回する)

     相手から厳しいコースを突かれて、自陣の位置や体勢を崩されることがあります。
     この様な場合は無理な体勢で強く打ち返すとミスしたり反撃されやすいため、やや高い軌道の緩めのボールを返球して時間を稼ぎ、基本姿勢に戻ってラリーを続けます。

    〜まとめ〜
     卓球は相手との間でボールが行ったり来たり(ラリー)する対人競技です。
     ラリーにおいては相手との相対的な関係の中で自身が有利な形を作って維持持続し、仮に不利になってもラリーを続けながらほぼ互角の形勢に立て直すことにより、相手に決定打を与えにくくすることができます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  2. 藤井 領一 より:

    1点書き漏らしたので、補足致します。

    >ラケットに意識が残っているか確認してみてください。

    上記本ブログ末尾の文の意味につき、私なりの解釈を以下に書きます。

    誰しもフォアハンドで打球時はフォアハンド、バックハンドで打球時はバックハンドの打球感覚で打球しています。

    前陣の速いラリーの場合、自分の打球後0.何秒という極めて短い時間後に次の打球をしなければなりません。

    ということはフォア/バックハンドのいずれで打球した場合でも、打球後(ラケットを元の位置に戻す過程で)フォア/バックハンドのいずれでも打てる打球感覚を速やかに取り戻して次のボールに備える必要があります。

    ラケットを基本姿勢に戻すとは、単にラケットをニュートラル(元の位置)へ戻せば良いのではなく、同時に打球感覚もニュートラル(次にフォア/バックハンドいずれも打てる状態)に戻すことが大切です。

    ブログの最後の文章は上記を念頭に置いた打球後のグリップの意識の持ち方に対するアドバイスだと思います。

    もし私が趣旨を取り違えていたら申し訳ありません。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  3. 藤井 領一 より:

    打球後の基本姿勢への戻り方について

    卓球に限らずラケット競技では打球後の基本姿勢への戻り方が議論されることがしばしばあります。

    その理由は、打球後に基本姿勢に戻るか戻らないかで次のボールへの対応に大きな差が出るのと、動いて打つのと同じ位(場合によってはそれ以上に)元に戻ることの方が難しいからです。

    状況により相手のボールが予測できることもあればできないこともあり、元に戻す動作をすることで相手に逆を取られる可能性もあるため、(基本は必要と考えますが)常に全く元通りの姿勢に戻すことが最善かつ可能とは限らないからです。

    基本姿勢に戻る際には身体(体勢や位置)の戻しとラケットの戻しの2つを(基本姿勢に戻る必要性や戻す距離はそれまでの動き方やスイングの仕方によって違うため、その根本原因も)合わせて考える必要があります。

    今回はラケットの戻しと次ボールの待ち方について考えるべきポイントを以下に纏めました。

    1.打球後のラケットの処置の仕方(戻し方)

    (1)打球後速やかにラケットを止める
    (2)打球後速やかにラケットを後ろに引く(バドミントンで使う弾くような打ち方)
    (3)打球後振り切った(スイングし終わった)ところでラケットを止める
    (4)打球後滑らかな曲線を描く様にラケットを元の位置に戻す
    (5)打球後滑らかな曲線を描く様にラケットをを元の位置の途中まで戻す

    上記(4)(5)については元の位置をどの(水平/垂直)位置を目標とするか、元の位置へ戻る途中を体からどれ位離れた距離を終点とするかにより、無数のバリエーションが考えられます。

    2.ラケットを戻した後の次のボールの待ち方

    (1)ファオ待ち(次のボールをフォアハンドで打ちやすいグリップの握り方で構える)
    (2)バック待ち(次のボールをバックハンドで打ちやすいグリップの握り方で構える)
    (3)ニュートラル待ち(上記(1)と(2)の中間のグリップの握り方で構える)

    〜まとめ〜
     基本姿勢への戻り方を考えたり試したりするのに際して、考えるべき点を整理し、選択肢を全てリストアップすることがまず最初に重要だと考えます。
     
     実際の試合では(時間的に余裕のある場合や無い場合など)様々な状況が想定されるため、最終的には状況や競技者(のスタイル)によってやりやすい方法は異なる可能性があります。

     皆様が基本姿勢への戻り方を考えるに際して、上記がご参考になれば幸いです。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  4. 藤井 領一 より:

    このブログで藤井コーチがおっしゃりたいことを以下に私なりに解釈しました。

    私達は返球ミスした時にミス(失点)という目の前の象徴的な出来事に気を取られ感情を高ぶらせがちです。

    しかし後から振り返って考えてみるとラリーの最後で起こったミスはそれまでの過程に原因があります。

    最初サーブまたはレシーブで構えたところからこのポイントのプレーが始まり、相手の揺さぶりにより少しずつ対応が遅れたり体のブレや無理が積み重なり、ついにそのツケ(歪み)をカバーしきれなくなった時にミス(失点)という目に見える形で私たちの前に顕在化します。(それまでの過程の原因は隠れています。)

    そうであるならば、「ミスの原因は最後の打球ミス」と局所的に見るのではなく、ラリー全体やミスまでの過程(体の動きや使い方)が適切であったか冷静に確認する必要があるという意味だと思います。

    例えば相手に左右に大きく振られるとミスしやすい人は、最後の返球ミスだけ修正すれば良いのではなく、極論するとそれまでの動き方、打ち方、体やラケットの戻し方(止め方)、ラリーの組み立て等全てについて問題や無理がなかったか見直し、隠れているミスの原因を見つけ出さないといけないことになります。

    上記のことを考えてプレーしていれば、得失点時に奇声をあげて一喜一憂する余裕などないはずです。

    上記は私なりの解釈ですが、もし趣旨を取り違えていれば申し訳ありません。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  5. 藤井 領一 より:

    一度原点に帰ってみると良いかも

    このブログをお読みして気がついたのですが、私達は気づかないうちに動き過ぎたり打球時に過剰にスイング(ラケット面の角度や力加減)を調節し過ぎてミスしていることが少なくないのかもしれません。

    完璧を目指して上手くやろうと頑張り過ぎるがゆえにやり過ぎることはあると思います。

    体の位置や使い方を最適化し、正しいやり方で過不足なく打球調節するにはどうすれば良いのでしょうか。

    それには卓球の動き方や打ち方を知らない頃の原点に一度戻ってやってみるという方法があると思います。
    (必要最小限の動き方や打ち方を見極める上で、足の動かしたり打球技術を駆使すると邪魔になります。)

    動き方や打球技術は一旦忘れて、足を動かさないでできるだけ打球技術を使わない(ブロックで当てるだけ)で色々なボールを打球した時にボールがどの様に返球される(外れる)かを見極めるのです。

    上記の検証中に返球しにくい場合、体の位置と姿勢を色々変えて打球すると最も返しやすい体の使い方(体の重心位置や距離感)を見つけ出すことができると思います。

    立つ位置と姿勢を変える以外何もしない素の状態のボールの返り方を確認した上で、必要最小限の足の動かし方や打球時の調節の仕方を考えるとベースとなる体の使い方が正しく設定され、正しく無駄の無い動き方や打ち方が見えてくると考えます。

    藤井コーチ様、貴重な気づきを与えていただき有難うございました。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  6. 藤井 領一 より:

    体幹や足の動かし方を検証する方法

    1.体幹を使った打球を検証する方法

     稀に台の反対側の端にボールが跳ね返る反射板が設置してある卓球台がある所があると思います。 
     
     反射板にはボールが当たった時に倒れない様に支えが付いていますが、この(反射板+支え)を(ラケット面+相手の体幹)、(反射板にボールが当たる位置)を(打球点)と見立てると色々な実験ができます。

     この様な反射板は板のどこに当てても同じ様なボールが返って来るのではなく、反射板にボールが当たる位置(打球点)と、反射板と支えの合成重心との位置関係によりボールが跳ね返る角度や速度が微妙に変わります。

     また反射板の設置位置を前後させることにより、打球位置による返球の変化/しやすさをシミュレーションできると思います。
    (反射板の位置を後ろに下げるほど反射板にボールを当てるのが難しくなり、仮に当たったとしても相手のコートに返すのが難しくなります。)

     上記の実験により、打球技術を削ぎ落とした体幹(体の位置や使い方)を使った返球の仕組みがわかります。
    (打球技術はとても大切ですが、できるだけベースとなる体幹で調節し過度に打球技術に頼らない考え方)

     上記は反射板を支える支えを人の標準体重と同じにし、反射板にラバーを貼り、標準的なラケット+ラバーの重さと同じにすると、実際に人が打球する時と近い環境条件で実験を行うことができます。
     
     ただし上記は打球技術が一切考慮されていない(作用反作用の力学原理による)実験のため、実際には打球技術による力加減の調節や回転をかけることにより大きな影響を受ける(結果が違ってくる)可能性があることをご承知おきください。

    2.足の動かし方

     卓球の試合では前後よりも横(左右)や斜めの動きが多くなると思います。

     ピッチのはやいラリー時に左右にボールを振られた時の体の動きは、床に3本線を引き反復横跳びする実験ででシミュレーションできると思います。

     線間の距離が短い幅と長い幅の3本線を往復する場合、どちらが早いピッチで体勢を崩さずに動きやすいか検証することができます。

     実際に卓球台に立って異なる歩幅で動いて左右に来たボールを返す実験をすることにより、どの様に足の動かし、どれ位ボールと体との距離を取れば最も返球しやすいか検証することができます。

    〜まとめ〜
     上記はさわりの部分に過ぎませんが、スポーツ科学や実験を駆使すれば卓球は確実に上達すると思います。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  7. 藤井 領一 より:

    状況や人により最適なやり方は異なるのでは?

    従来の卓球の常識にやや問題があった理由には、「しっかり動いてフォアハンドで打ちなさい(オールフォア)」や「バックは体の正面で取りなさい」「ボールは頂点で打ちなさい」など指導の根拠が明確でなく、やや画一的で実行困難なものが多かったという背景があると感じます。

    昔は理論(合理性)よりも精神論重視の上意下達(体育会系気質)のところもあったため、上記の様なやや不合理な無理や無駄の多い指導もなされたこともあるかと理解しています。

    古い常識を一旦忘れて真っ白な目で卓球をやってみると、相手のボールやコースなどの状況により適切な体の使い方(構えや姿勢、足の動かし方、打ち方など)が違ってくることは誰しもご理解いただけると思います。

    以下に例を挙げて説明致します。

    例外はありますが、一般的には攻撃する際は強いボールを打つことが決定力や相手を崩す力を高め、逆に守る際は強く打ち過ぎないことが返球ミスを減らすため、それぞれ適切な体の使い方は違って当然です。
    →状況により、強く打ちやすい体の使い方が良い場合と強く打ち過ぎない体の使い方が良い場合がある。

    状況により適切な体の使い方が異なるのであれば、まずそのことを認識し、次にどの様な状況ではどういう体の使い方をすべきかを合理的に整理する必要があると思います。
    (指導者は指導の根拠を明確にし、競技者がわかるように説明する必要があります。)

    また試合で次の相手のプレーで読めない状況で、どの位置でどのような待ち方(構え)をするかを予め決めて練習しておかないといけないため、競技者のプレースタイルや特徴も考慮して基本姿勢や基本打法を考えるというスタンスになるかと思います。

    基本打法の構成要素として、打球時の体の使い方、スイングの仕方(バックスイング/インパクト/フォロースイング)があります。(フォロースイングの要素の中にラケットの止め方、戻し方が含まれます。)

    上記は私見です。
    藤井 領一

  8. 藤井 領一 より:

    自分の体に意識を向けて練習して気がついたこと

    藤井コーチのブログをお読みしてから、体幹や体の動きや姿勢に意識を向けて練習しています。

    ミスの原因とも深く関係するのですが、プレー中の状況により最適な体の重心の位置(高さとボールとの距離)が変わってくることに気がつきました。

    一般的にはボール(打球点)と体の位置は、適度に程よい距離を取って打球するのが良いと理解しています。
    (腕の肘が少し曲がる程度にボールと体との距離を保って打つと力を入れて打ちやすいと感じます。)

    しかし、バックハンドで(2本2本の様に)ブロックする際は体の重心を打球点に合わせて体の正面(近く)で取るのが返球しやすく、前陣で相手の強打を守備する際は打球点よりも体の重心が上に来る様に自然体の姿勢を整え、体からやや離れたところ(腕を伸ばした距離)で打球した方が返球しやすいと感じます。

    なぜ相手の強打をレシーブする際に体の重心を高く保ち体から遠い打球点で打球した方が返球しやすいかというと、体の正面近くのボールを前傾姿勢(低い重心)で打球すると相手の強打(ボール)に自分の体重とスイング力を利用されて、ボールが強く反発して飛び過ぎやすくオーバーミスしやすいからです。
    (体の正面近くへ打たれたスマッシュは返しにくいのがこの現象の表れ)

    従って、相手の強打に対しては打球点よりも体の重心を高くし、オーバーミスしないよう体全体でボールを上から抑え込む意識でボールの勢いを吸収する(飛ばし過ぎない)様に取ると返しやすいと感じます。
    (姿勢をまっすぐにし体の重心を打球点よりも上に逃がし、強打に自分の体重を利用されないようにします。)

    この場合、膝と腰を伸ばした直立に近い姿勢で重心を高く保ち、バウンド後直ぐの低い打球点で打球します。

    相手に強打されそうになると後ろに下がる人が多い(セオリー?)と思います。
    しかしライジングの打球技術がある場合はバウンドして直ぐ取る方がタイミングで取りやすく、守備範囲も狭まり、打球点が早い(低い)ため回転をかけやすくオーバーミスが少なくなると感じます。

    逆に中陣などで強いボールを打つ時は自分の体重が全面的に打球にかかる様に前傾姿勢で重心は打球点と同じ若しくはやや下に来るようにすると、ボールを擦り上げて打つドライブを強く打ちやすいと感じます。

    もし上記の考え方が正しいのであれば、状況によりボールに体を適度に近づけて打球点と同じ高さ(か少し下)に重心が来る姿勢で打球する方が良い場合と、ボールに体を近づけ過ぎず、打球点よりも重心が上に来る姿勢で打球する方が良い場合があり、使い分けに留意する必要があると考えます。(無駄な動きが少なくなります)

    「強打はバウンド直後が一番取りやすい」と言うと感覚的には「そこが一番取りにくいのでは」と考えられがちですが、力学的な考察と私が実際に試した経験では逆の結果となりました。
    (後ろに下がるほど左右の守るべき範囲が広くなり、速い打球の軌道の変化を目で追い相手との遠い距離を打ち返すのが難しくなります。仮に返球できてもロビングの様に相手に脅威を与えにくい返球になりがちです。)

    戦型(主戦型)やレシーブ時に使う主な打法やラバー種類(人)にもよると思いますが、球質、打球点、体の重心(姿勢)というボールと体との力学的な関係を考えて打球することが打ちやすさやミスを減らすことにつながると私は考えます。

    上記は私見です。
    藤井 領一

  9. 藤井 領一 より:

    藤井さん

    ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。

    私も卓球においては常に相手のボールの回転(軌道)が完全に読めるわけではなく、仮に相手のボールが読めたとしても競技者がミスを犯す人間である以上常に思い通りに体が適切に動いて完璧に打球できるわけではないという割り切りは認識しておいた方が良いと思います。

    従ってミスをゼロにする(なくす)ではなく、可能な限りミスを少なくすることが大切と考えます。

    ミスを少なくするためには、ミスという現象に必要以上にとらわれず、冷静にミスの原因と修正方法を考えることが大切と考えます。

    しかし、実際にはミスという目の前に起こった事象からミスの原因を分析するのが意外に難しいと感じます。

    例えば、ちょとしたネットやオーバーなどの返球ミスを取っても、ボールの回転を読み違えたせいなのか、自分の打ちミスのいずれか、若しくはその両方が合わさった結果のミスなのか判然としないことがあります。

    上記は直接的な原因ですが、その裏にミスの間接的または背景となっている原因が隠れていることもあります。

    例えば、大事な試合で心身が力み過ぎていたり、打球時の体の姿勢や重心の位置、ボールと体との距離が適切だったかという点は、一生懸命にプレーに集中している本人には気がつきにくい原因と思います。

    打球が入るかミスするかは相手のボールと身体(重心や体の動き)やスイングとの力関係(摩擦力や打撃力)及び重力、空気抵抗力、回転による揚力、遠心力など自然の見えない力がミックスされて力学的に決まります。

    目の前のミスに目を奪われて得失点に一喜一憂しがちですが、1つのミスの裏には目に見えない膨大な力学的な要素が集積されて打球の軌道として現れているのです。

    打球にはどのような力が働くのか、ミスの直接/間接的な原因として何があるのか、現象(ミス)と原因との因果関係を把握することにより、状況に応じてミスが少なくなるやり方や仕組みを考え、練習で身に付けることが大切だと思います。

    上記は私見です。
    藤井 領一

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